発達障害をはじめ、障害者の就労支援を中心にしている東証一部上場会社があるのをご存知でしょうか。わたしもつい最近知りました。
以前から何となくですが、IT企業はうつ病などの精神障害や発達障害の従業員対応にいち早く取り組んでいる印象がありました。
人材不足な中、対応を迫られたということもあったと思いますが、一般社会の働き方に馴染まない人たちとITにはどこか相性の良さを感じます。
株式会社LITALICOとは?
リタリコを知ったのは新聞記事でした。上場会社だと知り、わたしはさっそく会社四季報で調べました。わたしは株式投資が好きでして(恥ずかしいほど小資金で楽しんでます。)、会社四季報というのは市場で売買できる上場会社がすべて掲載されている本のことです。
見ると2005年設立とあり、すでに10年以上の実績のある立派な会社でした。
ホームページによる事業内容は、
1. 学習塾及び幼児教室の運営事業
2. 児童福祉法に基づく障害児支援事業
3. 障害者総合支援法に基づく就労支援事業
4. インターネットメディア事業
5. その他
とあります。
発達障害者支援センターや障害者職業センターのような無料の相談窓口も担いつつ、よりきめ細かな教育サービスなどを有料で行っているようでした。
- 子どもたちを対象にした塾ソーシャルスキル&学習教室 LITALICOジュニア 98拠点
- IT×ものづくり教室 LITALICOワンダー 9拠点
- 就労支援サービス LITALICOワークス 66拠点
全国展開しようとがんばってるみたいですが、地方はまだまだ気軽に利用できない感じではあります。
福祉と利益は両立できないとされてきたけれど
資本社会では福祉事業は成り立たないとされてきました。今も税金や補助金がなければ福祉事業はやっていけないのが現実です。
そんな中、経済的利益と福祉事業を両立させようとするリタリコの存在はとても心強く思いました。
経済的な視点でいえば、人口減少が進む日本で豊かさ(GDP=人口×生産性)を維持するためには生産性を上げていくしかない。石油などの資源は日本にはありませんから、いかにして付加価値を創造できる人材を育成するかが重要になります。
異なる能力を持つ人を歓迎し、強みを伸ばす教育が「ここだけは負けないという突出した人材」「一つの圧倒的な強みを持つ人材」を生み出し、経済的にも大きな力にすることができるでしょう。
リタリコ代表長谷川氏のメッセージのうち経済的側面の部分のみを抜粋したものですが、たいへん感銘を受け、共感いたしました。
リタリコの「障害のない社会をつくる」というビジョンに正直驚いた
誰もが年をとって障害者になる可能性がある。だからどんな人も生きやすい世の中になるといいなぁ、と思っていたんです。障害はあるのがあたりまえだから、障害と共に生きることを考えないといけないと思ってきました。
障害は人ではなく、社会の側にある
こういう視点はありませんでした。
社会生活に大きな困難があるために「障害者」と括られている人がいますが、もし、肢体不自由の方が軽快に移動できるカッコイイ車イスがあったら、「移動する困難」はなくせるのではないか。もし、精神的に不安の強い方でも安心して働ける職場があたりまえにあったら、「働く困難」はなくせるのではないか。社会には多様な人がいます。社会の側に人々の多様な生き方を実現するサービスや技術があれば、障害はなくしていける。
ってすごくないですか!
「障害をなくす」という観点がなかったので、ほんと目からうろこでした。
多様な人材を守り育てる福祉を経済的事業として成立させる技術の一つがITなんですね。今後はもっといろんな分野の技術が助けになっていくのかもしれませんね。
リタリコのほかにこんな会社も見つけました。こちらはまだ新しい未上場の会社です。
「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで」というおもしろい名前のこちらもIT企業。
主な事業は
ひきこもり当事者等に対する教育事業(プログラマスタースクール運営)
ホームページ・スマートフォンアプリ等の開発・制作事業
ITエンジニア等の人材紹介・人材派遣事業
サポーター会員も募集しています。
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